英国刺繍とソフトファーニッシング

英国刺繍は世界の刺繍の中でも最も伝統と権威のある刺繍です。 特に Gold Work や Stamp Work は英国刺繍ならではの技法や材料で作ります。
私が学んだ王立刺繍学校ではこのような伝統ある刺繍の多くを誰でも習うことができます。 
私の場合は以前から英国刺繍が好きでしたので 1998年に夫の赴任に伴いイギリスに来てすぐにあこがれの英国王立刺繍学校に通い始めました。もともと凝り性なので英国刺繍の課題の多くで最高点をいただき2年連続最優秀成績で Certificate Course を卒業することができました。 素晴らしい先生達と高度なレッスン、歴史ある宮殿の中のお教室、何百年も前から続いている歴史ある伝統刺繍を若手を育てながら受け継いでいる王立刺繍学校は刺繍の世界の最高峰と云われています。
王立刺繍学校のコースが終了し 2004年からは自宅で英国刺繍、アップホルストリー と ソフトファーニッシング、タッセル を教えています。この4つの習い事には多くの共通点があります。ヨーロッパの伝統や芸術が背景にあるということと、なによりも自分の手で何かを作り上げる喜びがあるということです。2018年からは拠点を東京に移しロンドンと同じ形式で英国刺繍教室を開いています。
英国王立刺繍学校(Royal School of Needle works)
ロンドン南西のハンプトンコートはヘンリー8世の宮殿として知られていますが王立刺繍学校はその宮殿の一画にあります。手入れの行き届いたすばらしい庭園は早春には水仙やスノードロップ、クロッカスがいっせいに花を咲かせ まるでおとぎ話の世界のようです。そのお城のなかの教室で少人数制のクラスが開かれています。Tutor はこの教室の卒業生でアプレンティスという見習い期間中の刺繍家の人たちが助手として細かにフォローしてくれる中身の濃いクラスです。
その他に王立刺繍学校の主な仕事のひとつに王室の行事に使われる衣装や小物の刺繍、タペストリー、教会で使われる Gold Work の Frontal などの作製や古い時代の作品のレストアなどがあります。
今でも実際に使用されているこの伝統技術の継承のために王立刺繍学校はあります。アプレンティスのなかには10代後半から20代前半の若い女性も多く英国ではこういった伝統技術は過去のものではなくて現在でも続いている職業のひとつです。
こういうすばらしい環境の学校に一般の人も参加できるようになっています。ニュージーランドやアメリカ等世界中からクラスに参加するために多くの人が来ています。
最高の伝統技術を習えることもさることながらお城の中の教室の窓から見える広大な素晴らしい庭園を眺めながらの刺繍は何ものにも代えられない至福のひとときです。こんな贅沢な体験が出来るのもイギリスならではですね。
Upholstery と Soft Furnishing
王立刺繍学校のコースを卒業しイギリス生活に慣れた頃 以前からやってみたかったアップホルストリーをアダルトスクールのサティフィケートコースで習い始めました。アップホルストリーは簡単に言うと椅子の張替えなどのことです。アンティークの椅子などを自分で作った刺繍やお気に入りのファブリックで張り替えます。使用する材料は何百年も前から使われている本物の自然素材です。古い布地や中の詰め物をはずしレストアし、また詰め物をし直してから新しい布地を張るといった作業の実技を一つ一つ基礎から学びました。何年もかかりましたがイギリスの技能訓練認定組織であるシティー&ギルズの認定を取得することができました。
アップホルストリーを習ううちに家中が道具とアンティークの椅子だらけになってしまいました。それがキッカケでアンティーク収集が趣味になり生徒さんと一緒にアンティークフェアーへ繰り出すことも度々でした。
ソフトファーニッシングもイギリスに来たときには絶対習おうと思っていましたがとてもラッキーなことに 多くの著作もある Lady Caroline Wray(本物の貴族のレディーです)に学ぶことができました。彼女のクラスではソフトファーニッシングについて学ぶだけでなく、イギリスのアッパークラスのインテリアとライフスタイルを見る事ができとても貴重な経験でした。彼女の息子さんはイートン校でウィリアム王子のご学友で大の仲良しだったそうです。
カーテンや美しいファブリックで作られたインテリア小物はヨーロッパのインテリアでは最も重要なアイテムのひとつです。 イギリスでは素敵なインテリアファブリックが簡単に手に入ります。
楽しい海外生活術
ロンドンに住む前は東南アジアにも8年間いました。この25年以上の駐在生活の経験とその間に学んだノウハウが我が家にはたくさん、特に各国のお料理はそれぞれ本場の方たちに接する機会が多かったのでレシピが充実しています。
なにかと食べ物では評判の悪いイギリスにもスコーンやシンプルなケーキ、オーブン料理など簡単でぜひレシピに加えてもらいたいものがたくさんあります。
海外で刺繍や手芸を通じて知り合いになった生徒さんたちとお互いの海外生活術を教えあうのはとても楽しいものです。情報交換したり食べ歩きをしたり、セールに繰り出したり と楽しいことも多い駐在生活です。
生徒の方にはイギリスに単身赴任中の旦那様を短期間訪ねてきている方や少し余裕のある日程で旅行中の方などもいて新鮮な話題で盛り上がることもよくあります。
(左の写真:プライベートガーデンにて、小さいプードルが我が家のワン子です)
このページのトップへ
Copyright (C) 2009 Rie Sewing Club. All rights reserved.